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歴史ものを描く人は、総じて全員歴史好き『学習漫画を描く人の条件』 漫画家・鈴木みそ インタビュー(6)

歴史ものを描く人は、総じて全員歴史好き『学習漫画を描く人の条件』 漫画家・鈴木みそ インタビュー(6)

連載
漫画家・鈴木みそ インタビュー
鈴木みそ流の学習漫画
「マンガ 物理に強くなる」「マンガ 化学式に強くなる」について

 

今回の内容

本連載は、ルポ漫画や電子書籍出版などで有名な漫画家・鈴木みそさんにお話を聞かせていただくインタビューとなります。

第6回となる今回は、『学習漫画を描く人の条件』について聞かせて頂きました。

漫画家・鈴木みそさんについて

漫画家。1963年8月12日生まれ。静岡県下田市出身。
美術予備校時代、編集プロダクションで、ライター、編集者、イラストレーターとして雑誌作りに関わる。
ゲーム雑誌『ファミコン必勝本』『ヒッポンスーパー』などで、ゲーム攻略、記事、コラム、イラスト、を書く。
東京芸大油絵科除籍後、編集プロダクションから独立。漫画家になる。
ビッグコミックスピリッツ、野球漫画『ネットワーク22』でデビュー。
2013年『限界集落(ギリギリ)温泉』をAmazonでセルフパブリッシュ、1千万円を売り上げて話題になる。

好きじゃないと、描けない



──前回は、学習漫画や紹介漫画の描き手が少ないというお話を伺いました。

そうですね。ただ、漫画が仕事として成立しなくても、別の仕事をしながら好きな漫画を描いてコミケで売る、という生き方もあるので、特に市場のニーズに合わせなくてもいいかなとは思います。

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──では、学習漫画や紹介漫画ではないんですが、史実を基にした漫画などはどうでしょうか?

歴史ものは、本当に好きな人しか描けないと僕は思っています。自分の場合、基本的に物理とか化学は嫌いじゃないんですよね。

歴史ものって、たとえば原作をいただいて描いたとしても、原作の先生が指定していない部分で、探さなきゃ分かんない資料がものすごい必要じゃないですか。

切られて倒れたときの、裾から見える下着はどんなの着てるんだろう、とか。ちゃんと調べていないと描けない。


──下着まで!

ちょっとした背景の掛け軸の絵はどんなものがいいのか。飛んできた矢は先っちょはどんな形で、羽の部分はなにがついているのか。どのくらいの確率で当たるものなのか。それによって地面に散らばってる矢の量が決まりますよね。

マンガ家に、大量の知識がないと、全部描き直しになっちゃいます。絵が持っている情報量ってすごく多いんです。

最終的に見えているのはまさに氷山の一角という感じで。


──それだけの量を新たに調べるわけですか。確かに好きじゃないとやってられない仕事内容です。

だから、歴史ものを描く人は、全員歴史好きです。いい切ってるけど、多分そうです。それじゃないと描けないと思う。

試験管の持ち方が違う

「マンガ化学式がわかる」で試験管を持ってるシーンを何気なく描いたんです。すると「そうじゃないんですよ、こうです」って読者に言われて。

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──親指が下?

そうそう。「気体が空気より軽い場合、逆手で親指を下にしてこう持ちます」って言われて、しまったそうなのかと、2刷り(増刷がかかった後の版)の時直しました。他にも細かい修正を何度もしました。バネのついた滑車の「このバネ伸びすぎです」とか。知らない人には描けないんですよね。

さすがにもう30刷なんで訂正はなくなりましたが。

女性視点、男性視点でのマンガ家あるある話


──知っている人はどうしても間違っている内容は気にしますから、それは確かに仕方がないですよね。

よく男性漫画家が描く女性の下着がダサすぎるという話がありますね。フリフリの服を女性が見て「あんな服ない」「こんな下着だれも着ない」って指摘される。

逆に女性漫画家が描くメカやバイクがものすごいのがあって「このバイクはタイヤが回らない」とか「重力がおかしい」って言い合ったりしてますが、男女にかぎらず誰でも自分の好きなものは気になるんですよ。

野球に詳しくない人が野球ものを描いて、「いや、これはどうなんだろう」というのもありますよね。グリップの握りが逆というのは最近ではさすがにないですけど、グリップの間を空けて握ってたりね。タイ・カップかよと。


──やっぱり知っていないと、興味がないと漫画にはできないんですね。

研究がメインの人は、漫画にすることは難しい可能性が高い


──好きなら描きたくなるっていう話でいうと、例えば研究者本人が作画をしている学習漫画とかはあるんでしょうか。

漫画を描く研究者、に会ったことありますよ。VR系の人で東大にいる女子で。薄い本をいただきました。


──そうなんですね。キャラクターが創作できるのであれば、そのキャラクターでもって研究者の人の知識を説明してもらえればと思うんですがそういうのは難しいんですかね。

研究者だと、分かりすぎて逆に難しくなっちゃう可能性もありますね。


──そうなんですね。

ここは編集者が調整するところなんですが、普通に漫画を描いても「これでは読者に分かんないので、もっとこのエピソードを広げて詳しく説明して」っていうやり取りがあります。

自分では説明する必要なんてないと思ってる当然のことが、他人にはわからない、ということは多い。だからネームを作るんですが。

作家が研究者だと「このくらいのことは分かってて当然」というか「どこがわからないのかわからない」くらい理解しているわけです。普通の人にわかるように、猿でもわかるように説明する。というのは案外むずかしいんです。

説明が難しいんじゃなくて、分からない部分が理解できないのでピントが外れてしまう。

編集者が優秀であればそこはクリアできますが。


──「描く対象は好きだけど、研究者としてではなく、あくまで漫画家」という人が、最も学習漫画の描き手として向いているのではないだろうかというお話でしょうか。

今回のインタビューは以上です。

次回は、『鈴木みそにとっての野球』について聞いていきます。


鈴木みそ
漫画家
1963年静岡県下田市出身。
美術予備校時代から、編集プロダクション「キャラメル・ママ」のライターとして雑誌作りに関わる。
ゲーム雑誌などで、ゲーム攻略、記事、コラム、イラスト、をこなす。元編集者兼ライター兼イラストレーター。
東京芸大油絵科除籍後、多忙すぎるプロダクションから独立。漫画を描く。

twitter: @MisoSuzuki
blog: CHANGE

聞き手・編集:YAQUE 編集部

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〒151-0052 渋谷区代々木神園町2-1

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07/28

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