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#04 ボブ・ディラン -『キャットフィッシュ』Bob Dylan-“Catfish” 【1いいね10円洋楽レビュー】

#04 ボブ・ディラン -『キャットフィッシュ』Bob Dylan-“Catfish” 【1いいね10円洋楽レビュー】

連載
ネバーエンディングサバイバーの1いいね10円洋楽レビュー

 

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ボブ・ディランー『キャットフィッシュ』
Bob Dylan-“Catfish”(1975)

Catfish

 

こんにちは。

“ネヴァー・エンディング・サヴァイヴァー”

本部 萌です。

 

やっとこさ冬を感じる寒さになってきましたね

冬を感じるもの、と言えば。

はい。

こたつ。

 

こたつ、と言えば。

そう。

みかん。

寒い冬に、あったかいこたつでみかん食べる。

父ちゃん!ふとん引っ張るんじゃねぇよ!寒いだろ!おい兄ちゃん!邪魔だよ足伸ばしてんじゃねぇよみかんの繊維も食べれねぇくせに!おいらが短足だからってケンカ売ってんのか!

みたいな家族戦争も起こったりしてね、

日本の原風景、ってやつですね。
でもね、この「こたつにみかん」って非常によく言われる日本の原風景なんですけど、

これ今じゃきっと、
「こたつにアイス」に変わってきてると思うんですよね。

だって「こたつ」も「アイス」もさ、
なんか高度経済成長後の和洋折衷した帝国ニッポンみたいな匂いがするじゃん?

みかんより現代的じゃん?

なんかね、どちらもちょっとした贅沢だと思うんですよ。
寒い冬に、贅沢な時間。
先進国ってかんじ。

因みに私はもちろんこたつなんて今住んでる独房みたいなアパートには無いわけですけど、じゃあいくらサヴァイヴァーでもアイスくらい食べられるだろって言われたらね、

えっとね、

食べられないんです

なんでかって言うとね

うちの冷蔵庫、よく民宿とかにあるようなちっちゃくて四角い、右上に申し訳程度の板一枚で仕切られた冷凍ゾーンがついてるあの形態の冷蔵庫なんですけど、

その冷凍ゾーンがね、最近までこうなってて

 

p_survivor_04_800_01

これね、全部霜なの。

 

なんか分かんないけど、外気の高温のせいで霜がこんなに肥大化しちゃって、なんかもうピノコもびっくりな悪性腫瘍ステージ4.5みたいなレベルまで来ちゃって、

これだから留守の間にさらにこいつが溶け出して来て盛大なインベイジョン起こして、帰宅したらもう部屋の中がヴェネツィアの都も顔負けな大洪水に発展していたのです。

それが毎日。
なので遂に先日、意を決してこの悪性腫瘍の摘出手術を行いました。

その様子を親愛なるユーチューバーのお友達が撮影してくれたものがこちら。

ってな感じで、小一時間かけての大掛かりな摘出手術は無事成功。
これでアイスが食べられる!!!

私もプチ中等遊民の仲間入りっ!!
…と思えたんですが
やつは諦めなかった。
数日後、

再びしぶとくも成長してやがるのです

 

 

 

p_survivor_04_800_02

分かったよ。

 

 

あたしゃ負けたよ。

 

諦めろって言うんだろ?

 

身の程をわきまえろって事だろ?

 

所詮、私が、アイスクリームなんて。

少なくとも私にとって、日々の生活でガス止まるより水道止まるより辛いことなんです。

アイスが、食べられないことが。

今じゃ仕事中、お客さんがいない間にこっそりアイスを食べてる時が、いちばん至福な時なんです。

そんな私です。

 

 

Catfish

はい、つい長くなりました。
こっちが本題!本業!

今回は野球について歌った曲ということで、
今熱い(同時に冷ややかな笑いに包まれた)ボブ・ディラン『キャットフィッシュ』(1975)を取り上げます。

まあ例のなんちゃら賞問題は置いときましょう
きっとディランおじいちゃんもね、もうおじいちゃんだから、授賞式なんかより休養っていう先約を優先させてあげた方がいいんです。ライブも頑張ってるんだしさ。

だったらウッディ・アレンみたく、『アニー・ホール』がアカデミー賞取ったけど授賞式すっぽかした時、
「あの時何してたの?」って後のインタビューで聞かれて「ああ、クラブでクラリネット吹いてたよ」って返すくらいの粋なオヤジっぷりを見せつけてくれたらもうこっちもくぅぅーやられたぁ!っつって痺れちゃうんだけどね。

てかね、本当の事を言うと私、今だにボブ・ディラン苦手なんですよ。
だって暗いじゃん。音楽も土着的で退屈じゃん。歌詞が良いんだよ云々と言われても英語が瞬時に理解できる訳でもなし、

むしろ理解したところで音楽が暗いんだから歌詞もどうせ暗いんでしょ…知らない方がいいって絶対…
みたいなさ。

その逆の、音楽が明るいのに歌詞がガン鬱みたいなことは洋楽でよくあるんだけど。
私の感性がきっとまだお子ちゃまなだけだと思うんだけどさ。
だから今回とりあげる“Catfish”もね、やっぱり睡眠導入時にぴったりな単調で退屈な曲なんですけど、

 

ディランさんの曲ってね、耳に残っちゃうんだよね。

 

「ディラン効果(=頭の中で同じ音楽が鳴り続けること)」って言葉があるくらい。

 

この曲が録音されたのは1976年発表のアルバム、『欲望』(“Desire”)のアウトテイクとしてでした。
その後1991年のブートレグ集に収録され、陽の目を見ることになります。

 

ということで、曲の解説をしていきたいんですが

ディランさんの音楽というのはその訴求力から常に時代性を帯びているので、移り変わりも様々なんですね。
そして文学賞も取ったことだし、

「ボブ・ディランって何がそんなにすごいの?」という方々もたくさんいると思いますので、

この機会にね、この曲が作られるに至るまでのボブ・ディランの変遷をスクール・オブ・ロックばりに(言い過ぎた)ほんのちょっとだけ解説します。

 

まあひどく簡単な説明になりますがボブ・ディランのなにがすごいのかと言うとですね、
現在私たちが気安く使っている「ロック」という言葉、これの最たるものを、つまり「ロック」における精神性という枠組みにおいてその礎を築いたお方なのであります。

 

歌詞にメッセージ性や文学性を最初に取り入れたんですね。
そしてそのルーツは「フォーク」にあります。

 

日本でもフォークと言うと学生運動の頃の音楽、っていう風に容易にイメージができると思いますが

アメリカにおいても60年代前半に公民権運動がピークを迎えたころ、ボブ・ディランの音楽ってのはその詞世界のおかげでとりわけ扇情的だったので、当時の若者たちの代弁者として大きく支持されたんです

でもその後、ビートルズストーンズなどと交流していくうちマリファナやLSDをやりまくるようになってからは、
彼らのようなエレクトリックサウンドも取り入れ始め、音楽性は大きく変化していきます

だからディラン信者だった若者たちはその変わりようから「あんなミーハー路線に走ってく奴だなんて思わなかったぁあ!裏切られたぁああ!」って思ってたみたいですよ。

でもそんな声も彼にはどこ吹く風、あの有名な“Like a Rolling Stone”もこの頃、1965年に作られてビルボード2位(1位はビートルズの“Help!”)になったので、ちゃっちゃと新しいファン層を獲得したってことですね。

(因みにビートルズが“Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”あたりからドラッグ体験を基にした楽曲を作り出したのもディランの影響が大きかったんだって。

この頃はミュージシャン同士影響しあうことが当たり前だったので、それぞれの時代別に色んなミュージシャンを聴いていくっていうのも、後追い世代にとってはたくさん発見があっておもしろいよね)

 

でもそれ以降おくすり漬けのせいで一旦活動休止したんですが、
その後発表したアルバム『ナッシュヴィル・スカイライン』『セルフ・ポートレイト』『新しい夜明け』がいい感じに当たりその調子でツアーもやって、映画にも出演したりなんかしちゃって、彼は再び波に乗ります。

その復活のさなかの1976年に発表されたアルバムが、ディランの最高傑作との呼び声も高い『欲望』なのです。

欲望

このアルバムね、やっぱり退屈なメロディ達なんですが、でもやっぱりキャッチーで、
しかもなんとストリングスとか入れたりしちゃって声もエモーショナルでね、なんか深化してるしキレーなアルバムですね。
まあやっぱり暗いんだけどね。
そんで今回とりあげる“Catfish”もこの頃作られた曲ってことなんですね。

このアルバムでも冤罪で投獄されたボクサーのプロテストソングを歌ったりしてて相変わらずのメッセンジャーぶりを発揮するディランさんですが、
“Catfish”では悠長な声で野球のことをつらつらと歌っております。
ちなみにcatfishってタイトルですが、決してナマズの事を歌っているのではありません

野球好きな方ならすぐにピンとくるかも?!

 

けだるい夜の野球場
キャットフィッシュはマウンドに立つ
「3ストライク」審判が言う
バッターはベンチ戻りさ


キャットフィッシュ そいつは100万ドルの男
誰だってあんなボール投げられやしない

昔はMr.フィンレーの農場で働いていた
けどその爺さん、給料払わなかったらしくて
だからある日、グローブをスーツケースに入れて
黄金の腕もろとも、そのまま農場から逃げ出した

ついには晴れてヤンキース入り
ストライプのスーツに身を包み
あつらえの煙草なんかふかして
ワニ革のブーツを履くようになったんだ

キャットフィッシュ そいつは100万ドルの男
誰だってあんなボール投げられやしないのさ

 

 

拙い訳でごめんなさいですが、歌詞はこんな感じ。

“Catfish”が何を指してるのか、みんな分かったかな?
これは実際、70年代に活躍したピッチャー、
「キャットフィッシュ・ハンター」のことを歌った曲なのです。
趣味がナマズ釣りだったから「キャットフィッシュ」って愛称がついてたんですね〜

キャットフィッシュ・ハンターは1965年に19歳でカンザスシティ・アスレチックスからメジャーデビュー、WSを三連覇、サイ・ヤング賞なるものを獲得し、1975年ヤンキースに移籍。
2チームで最多勝に輝き、WSの優勝も5回経験してるという名選手なのです。

 

てな感じで農場の働き手から野球界の頂点に登りつめたキャットフィッシュ・ハンターの輝かしい生涯を歌っている曲ですが、
(しかも75年に作った曲だからモロにキャットフィッシュが絶頂の時ね)
曲調はと言うといかにも牧歌的なカントリーでして、
それこそ田舎のパブでウイスキーこねくり回してたらジュークボックスから流れてきましたみたいな雰囲気醸してます

 

だからなんか、決してキャットフィッシュ・ハンターを熱く褒め讃えてるって感じでもないし、
讃えてるは讃えてるんだろうけど、歌詞見ても視点がなんか第三者的な
ひとつの短編みたいな世界なんですよねぇ

 

無双のピッチャー、キャットフィッシュ・ハンター。
かつては田舎の農場でその自慢の腕を泥まみれにしてつつましく働きながら、都会で野球選手として成功することを夢見る少年だった。
そしてその時は来る。いざ上京して野球界に入るや否や、彼の黄金の腕はたちまち破格の金を稼ぐようになり、若干成り金みたいな出で立ちに変わって、今じゃ昔の面影なんてどこにもなくなっている…

 

ちょっと話逸れるけど、80年代にFranky Goes to Hollywood ってバンドがいたんすよ。
“Relax”っていう、誰でも知ってるあの有名な曲(二丁目のアンセム)歌ってたんですけどね、
このバンド名、ちょっとした俗語でね、

「田舎者が都会に行って変わっちゃう(時に堕落の意味も含む)
って意味のちょっとした皮肉なんですよね
元々、フランク・シナトラがハリウッドに行ったときに、当時の新聞がそれを嘆いて書いた見出しの一文だったんですけどね、
それが今では慣用句的に使われてるんです

 

なんかこの”Catfish”の詞世界にも、そんな匂いを感じましたね。

そりゃあさ、上京したての学生とかだったら芋臭いのだってなかなかとれないしかえって都会の生活が苦しくなったりするんだけどさ、
でも、
一人の何でもなかった少年少女が「都会に行って成功する」ってことが良くも悪くもどれだけその人を変えちゃうか
ってことなんだよね。

 

そういったことをね、ボブ・ディランさんは、
当時最もイケイケだった一人であろう「キャットフィッシュ・ハンター」をモデルにして歌ってみたかったんじゃないかな。
でも「都会に行って変わる」系の歌ってたくさんあるけど、
だいたい良いようには書かれてないよね。
『木綿のハンカチーフ』みたいにね(笑)
やっぱりこういう系って昭和歌謡が大好物なテーマだよねっ!!

 

 

あ、“Catfish”では決してこういう事否定してる訳ではないみたいなので、ご安心くださいな。
気合い入れて聞く必要ないからね、むしろ子守唄にちょうどいい…かもね…

だって全部ひっくるめて牧歌的だから。この曲。
今回も読んでくれてありがとう!

 

じゃあ改めて、ボブ・ディラン、
(グラミーとる前に)ノーベル文学賞受賞おめでとう!!

 

あなたのいいね!でサヴァイヴァーに10円が支払われます!よろしくお願いします!

 

 

 

 

 

執筆者プロフィール

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執筆者:本部 萌

1990年12月26日 沖縄生まれ。東京育ち。
159センチ
スリーサイズ: B70, W55, H90

■活動内容
2013年明治学院大学文学部芸術学科映像芸術学専攻を卒業後、小劇場をメインに下積み女優活動を展開中。アローズプロ所属。
休みの日には映画館と自宅で年間約300本の映画を鑑賞するほぼ引きこもり生活を送る、「映画と結婚した独身専業主婦」。
たまに出るDJイベントでは60〜80年代の洋楽チューンを担当、特に80年代ニューロマンティックをこよなく愛する。
ヤクルトスワローズのマスコットキャラクター「つば九郎」のフォルムと毒気に惚れ込み、シータの如く神宮球場の空から舞い降りてつば九郎の頭にスカートを被せたい密やかな夢を抱いているが、野球そのものに関しては1チームが何人構成かも知らないくらいの知識。
阿佐ケ谷のミニシアター“ユジク阿佐ケ谷”、新宿ゴールデン街のロックバー“Happy”、野球バー“ぺんぎん村”で働く。

facebook: 本部萌facebook
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〒151-0052 渋谷区代々木神園町2-1

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自分でやってみることで、審判の大変さを知るイベントです。自分でやってみることで審判の大変さを知るイベントです。

主催:スポーチュア

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