「アイドルファンから、あるヒントをもらったんです」 時事芸人プチ鹿島 インタビュー(6)
- 投稿日:2017/03/28 12:00
- 更新日:2017/04/07 00:48
2813VIEW

ルーキーイヤーの大谷翔平を追っかけた理由
──鹿島さんが、これまでに見方を変えたことで面白かったものってたとえばどんなものがありますか?
僕、アイドルのことはあんまり詳しくなかったんですよ。特に、30代、40代になってもアイドルの追っかけしてるって、どういう面白さがあるんだろうなって思って、アイドルファンに聞いたら、不完全なものを応援するのがいいんだという声があったんですね。
──不完全、未完成なものを。
はい。その一生懸命さを応援するのが自分は楽しいんだ、やりがいがあるんだって聞いて、なるほどと思ったんですよ。
それがちょうど2013年くらいだったんで、これ野球でいったら大谷翔平じゃないかって気付いたわけですよ。
大谷翔平といえば高校からプロに入ってきて、二刀流をやるんだと。もう野球の解説者の人たちは、いやいや、そんなこと言ってないでバッターにしぼれ、ピッチャーにしぼれって、大論争が起きたじゃないですか。それって結構プロレス的で面白くて。まあ順調にいってね、5年~7年後メジャーに行ったら、多分どっちかにしぼるんだろう、と思ったんです。
──結果的には、ね。
そのときですよ、そのアイドルファンに教えてもらった言葉を思い出したんですよ。
「今しか見れない姿を応援する」っていうのは、これまさに大谷翔平のことじゃないかって気付いて、俄然、あそっか、アイドルファンはこんな面白い見方をしてたんだな、と。
だから、初年度の大谷を追っかけるために、いろんな球場行きましたね。
事実、今の大谷、完全にもう、ね。
──そうですね。完成しつつありますね。
不完全なものはその時が一番の見ごろである
未完成な大谷翔平をリアルタイムで見れたのって、すごくラッキーだと思ってて。今や二刀流やめるどころか、想定外の完成度になってきちゃったりしてますからね(笑)それがまた面白いんですけど。
それこそ昔の横綱・貴乃花が小結とか駆け上がってくるころも一緒で、若武者的でハラハラドキドキで、未完成だから人気もあったと思うんです。でも、横綱・貴乃花になったら強いだけじゃないですか。もちろんそれを好きっていうファンもいるんだけども。
だから、そういう未完成なもの、不完全なものを見るっていう楽しさっていうのに気付いたのは面白かったですね。
──なるほど。ちなみに現在進行形でそういう事例ってありますか?
それはね、高橋由伸なんですよね。高橋由伸監督。
無茶ぶりじゃないですか。まさか自分が監督になるなんて思ってもいなかったわけでしょ。でも、やっぱり巨人のあの地位にいるスーパースターだったら、引き受けるっていう一つの決断をした。それで僕「これは不完全物件だ!」と思って、1年目の高橋由伸こそ見るべきだと思って、2016年の巨人は久しぶりに全試合チェックしてましたね。
野球なんて、いろんな球団にそういう「不完全物件」「不完全逸材」がいると思うんですよね。
【プチ鹿島・新刊が出ました!】
なぜか新聞がどんどん好きになる! 人気時事芸人による痛快&ディープな読み方、味わい方をお届けする本書。結局、新聞にこそ、世の中の仕組みが詰まっているのです!
次回は最終回「イケメン選手よりも”珍しいおじさん”に注目せよ!」 時事芸人プチ鹿島 インタビュー(7)。2017年4月4日に公開予定です!
プチ鹿島(ぷち かしま)
芸人
70年生まれ。オフィス北野所属。時事ネタ好き。
1997年 デビュー。TBSラジオ「東京ポッド許可局」、「荒川強啓デイ・キャッチ!」(月・水ニュースプレゼンター)などに出演。2013年8月に発売した「教養としてのプロレス」(双葉新書)は2015年現在で6刷中。
twitter: @pkashima
blog: 俺のバカ
聞き手・編集:YAQUE 編集部
連載リスト
「”芸人は舞台で芸だけをやっていればいいんだ”と思っていた」 時事芸人・プチ鹿島インタビュー(1)
- 投稿日:2018/02/09 19:30
- 更新日:2018/02/10 22:45
2813VIEW
カテゴリ最新記事
第五十二回戦《オカルト契約更改「未来人ジョン・タイター/パイロキネシス インチキ説」》都市ボーイズの「オ・リーグ」
- 投稿日:2017/08/11 20:00
- 更新日:2017/08/09 20:56
6100VIEW