【トリガーポイント】肩が凝ってるからって肩を揉むヤツは、バカ!!!(前編)
- 投稿日:2016/02/03 19:00
- 更新日:2017/01/26 12:57
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日本人の二大症状「肩こり」「腰痛」
日本人が「身体の悩みでもっとも深刻な症状」トップ2(*1) に挙げる肩こり・腰痛。
それだけに改善法や治療法もさまざまなものが存在します。
そんな中今回注目した治療法は、痛みの原因は痛い部位そのものではない部分にあるという考え方のもと行われるもの。
なんでも筋膜とトリガーポイントがキーワードなんだそうです。
早速、専門家の先生に聞いてみることにしましょう。
中山哲志(なかやまさとし)
はすのこ鍼灸治療院 総院長
厚生労働大臣認定鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師
1970年8月29日生、東大式鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の第一人者として業界内外を問わず広く活躍。
熱烈なファンも多く、著名人もお忍びで治療に通っている。
──先生、どうぞよろしくお願いします。初インタビューなので緊張していますが…。
はは、心配せず。どうぞ、よろしくおねがいします。
──まずですね、そもそも慢性的な肩こり・腰痛は……すいませんちょっと止めていいですか。
おや?
──いや「おや?」じゃなくて、インタビュー中ずっとそれでいくんですか?
うん、ちゃんと聞こうかなって。緊張もほぐれるでしょ?
──お気持ちはありがたいですが逆にやりづらいです!むしろちゃんと聞いてない感じしますよ!それ耳つぼの分布模型ですよね。
まあ、そうだよね。はっはっはっ!!
では、どうぞ。キリッ
──(なんて陽気な人なんだ……) では改めて…。そもそも慢性的な肩こり・腰痛はなぜ起こるのですか?
さまざまな要因はありますが、筋膜の異常が原因のひとつと言えます。
まずは筋膜の役割を説明をしましょうか。文字が頭に入ってこない人は下の図を見てね。
──はい。お願いします。
筋膜とは、全身の筋肉を包む薄い膜のことです。
この筋膜が伸縮性を持って筋肉、臓器、腱、血管を繋げてくれているおかげで、人は身体の形を保っているのです。
同時に、筋膜は情報をキャッチしたり伝達したりする役割も担っています。
全身を繋げているのですから、あらゆるところに張り巡らされていて伝達に都合が良いんでしょうね。
慢性的な肩こり・腰痛の症状は、筋膜のこの2つの特徴に原因があることがあるんです。
──すごい。ちゃんとした専門家なんですね。
まあね。
筋膜の縮みが続くとトリガーポイントになっちゃう
痛みのメカニズムを、筋膜の特徴を踏まえて具体的に言いましょうか。
文字が頭に入ってこない人は下の図を見てね。
──注意書き、助かります。
筋膜の縮みが続くと血流が滞ります。
すると小さなこぶ状のかたまり(トリガーポイント)になる。
これが危険信号となって「痛み」になるんです。
──トリガーポイント。なんかかっこいい名前ですね。
トリガーポイントは筋膜が密になっている箇所にできやすいのです。
情報が集めやすく、発信しやすい箇所ですね。
これが東洋医学で言うツボと一致していることが多いんですよ。
──ツボを西洋医学的に説明したのがトリガーポイントいうことですか?
ざっくり言うとね。針で説明するとわかりやすいかな。
針を刺すと「なんか入ってきたぞ」という情報を脳に伝えます。
そうすると、「そいつをどこかにどけろ」という指令が脳から降りてくるので、針のまわりに血流がおこります。
血液の循環が良くなると、このまわりにあるヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンという発痛物質が洗い流されて除去されます。
──なるほど。収縮している筋膜に刺激を与えて、血流を促すと。スイッチのようなものですね。
そうそう。
スイッチを押してあげることで収縮している筋膜がのびていく。
その情報は他の部位にも伝わりますから、
たとえば左ひじに針をさしているのにお腹のトリガーポイントが解消されたりするんです。
──痛みの部位がどこであれ、収縮している筋膜を伸ばすと良いってことですね。
そうだね。ゴムに例えるのが良いですね。
ゴムは弾力性と伸縮性に富んでいるので、最大に縮めてから離すと最大に伸びます。
常に伸び縮みをさせることが非常に重要で、それを行わないと徐々に劣化してくる。
筋膜も同じです。使いすぎたり怠けさせすぎると、縮んでトリガーポイントを生じさせてしまいますよ。
どうしたら慢性的な痛みを解消できる?
──痛みの原因とメカニズムについては分かって来ました。
針治療は挙げていただきましたが他にどんな解決策があるんでしょうか?
さきほど話したように筋膜は全身でつながっていますから、
局所的にやっても慢性的な痛みは解消しない。
「木を見て森を見ず」です。
だから肩こりだったら肩だけを揉んだり、鍛えたりするだけではいけないんですよね。
ちょっと具体的に身体を動かして説明してみましょう。
120秒程度の動画でどうぞ。
観れた?
──観てくれたと思います。
マジメに説明したよ。オレ。
──あ、ありがとうございます。
身体の一部ではなくて、全体のバランスを見ろ!ということですね。
うむ。
そしてだね、
何より大切なことがまだあるんだよ。
──と、言いますと?
それはね…
メンタルに関係することなんだけども……
【前編のまとめ】
- 慢性的な肩こり・腰痛の原因のひとつが「筋膜の異常(縮み)」である!
- 筋膜が縮むと、血流が滞り”トリガーポイント“が生じる!
- トリガーポイントが文字通り引き金になって、痛みを引き起こす!
- 痛みの解消には筋膜を伸ばす必要がある!
- 筋膜は全身で繋がっているので、局所的にではなく全身をバランスよく伸ばせ!
【取材協力】
はすのこ治療院
〒262-0018
千葉市花見川区畑町432-1
STビル102
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日祝日休診
http://hasunoko89.wix.com/index
(*1)…平成25年度厚生労働省の国民生活基礎調査(pdf) p.30より
執筆者:肩こり腰痛持ちの方にも、野球を楽しんでもらいたいメディア「YAQUE(ヤキュー)」編集部
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